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注目されるスマートテキスタイル

2025年には市場規模が4,750億ドル(約65兆650億円)を突破すると予測されているスマートテキスタイルは、レクリエーション、エネルギー消費、ヘルスケアにおいて、未来のライフスタイルに影響を与えると考えられています。

今回、パーソナルな空調機能、ヘルス&ウェルビーイング、五感の拡張にフォーカスしてまとめています。


パーソナルな空調機能

異常とも思える気象現象に加えて燃料費の高騰により、費用対効果の高いパーソナル体温調節システムの需要はこの先一層高まると予想されます。加熱テキスタイルは既に防寒具で用いられていますが、自宅や職場における省エネ対策での利用が期待できます。

電熱システムRed BullのプレミアムアパレルラインAlphaTauriは、加熱可能な製品を発売しました。製品にはSchoellerのE-Soft-ShellヒーティングテクノロジーとTelekomのアプリによる温度調節技術を統合しています。

フィンランドのUXTEXはプリンテッド・エレクトロニクスをもとにEテキスタイルを開発。フーディーやコートなど製品は、耐久性や寿命を損なうことなく、洗濯、アイロン、加熱ができます。

サーマルソックスを専門とするスウェーデン企業Segerは、Inuheatと提携しSerger Heatソックスを開発。

着るクーラー:Sonyの冷温両対応システムReon Pocketは、Le Coq SportifやDescenteなどのアパレルブランドと提携し、このデバイスに対応する専用シャツを制作。


ヘルス&ウェルネス

ネット接続されたスマートソリューションを衣服と一体化することで生活の質を改善したり、ウェルネスをより身近なものにすることができる。マッキンゼーによれば、2025年までにホームヘルスケア市場は2,650億ドル(約36兆3050億円)に成長すると予測する。

バイオメトリクスデータ収集:心電センサーなどのセンサーを統合し、体温、心拍数、心臓、筋肉、呼吸などバイタルサインを計測します。バイオメトリクスのトラッキングから早期診断ができたり、怪我や病気を未然に防ぐ可能性があります。 コネクテッドケア:電子センサーで情報をアプリやかかりつけ医師など専門のヘルスケアパートナーに送信。この技術によって離れた場所に住む家族と常につながり、異常があれば早い段階で警告信号を送ることができます。 遠隔コーチング:体の表面に張り巡らしたセンサーを使い、リアルタイムで着用者の姿勢を検知し、遠隔での理学療法やスポーツコーチングに利用します。内蔵された触覚装置が振動し、着用者の姿勢を修正したり、動きを指導します。


米国のSirenの洗えるソックスは着用者の足温度をモニタリングし、情報を医師や准看護師に送信することで、患者本人がまだ感じていないかもしれない病変をいち早く見つけ、注意を促します。

英国を拠点とするKYMIRAは、心電図、血圧、呼吸数、酸素飽和度をトラッキングし、心臓発作など急性心不全を発生の48時間前に予測。

米国のWearable Xの洗濯機対応ヨガアパレルは、姿勢のモニタリングを行い、振動による触覚フィードバックで着用者のヨガポーズを正しい位置へと導きます。

米国のCipher Skinは独自の格子構造に印刷した全身を覆うことができるメッシュ型センサーCipher Meshを使用し、膨大なデータポイントを計測。それを3Dアニメーションで視覚化し、リアルタイムの理学療法や運動トレーニングに利用しています。

五感の拡張

テクノロジーによりデジタル世界の体験価値を高めることで、実世界においてもより豊かな感覚表現が可能になると考えます。

デジタル世界を体感する:スペインのOWOは、ユーザーが30種類以上の感覚を味わえるワイヤレスのハプティクスベストの特許を取得。このアルゴリズムは無限の感覚を再現できる可能性を持っています。

音を感じる:ロンドンのCuteCircuitのSoundShirtは、ハプティクスによって聴覚障害者が肌で音楽を感じられることが可能となりました。

感情を表す衣服:ポーランドのファッションデザイナーIga WęglińskaによるコンセプチュアルなコレクションEmotional Clothingは、色が変化したり点滅することで着用者が自分が感じているストレスや不安を認識できるようにする2種類のアイテムを展開。


現在、デザインラボ㈱では地域や地域企業様の抱える課題を「デザイン」で解決を目指す取り組みを進めています。その一つとして、スマートテキスタイルによる課題解決に大きな期待を寄せております。企業様やブランド様とのパートナーシップを行ってまいります。



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