現在、デザイン経営という言葉が広く使われるようになり、地域の中小企業経営においてデザインの重要性が日々高まっています。
パンデミックにより大きく変化する市場環境の中で、これまでの技術では差別化ができず新しいファンを獲得しにくくなっている状況において、このような問題を解決する方法としてデザイン経営が挙げられます。
今回は、デザイン経営について日々の活動からの気づきを基にまとめてみました。
デザイン経営とは
デザイン経営における「デザイン」とは、単にプロダクトやサービスを美しく仕立てるということだけではなく、その企業のインサイトの探求、そもそもどんな存在なのか、どんな未来を目指すのか、というところから、共感されるプロダクトやサービスのコンセプト、コミュニケーションまでの一連の流れです。この一連の流れから生み出されるプロダクトやサービスが、経営課題を解決し、事業を未来へと繋げていく重要な資産となります。
デザイン経営とブランディング
今まで地域中小企業での商品開発では、ユーザーが不特定多数だったことが多く、例えば"25〜45歳女性"といったような一人でも多く取り込もうとして設定してた様に思います。しかし、デザイン経営を考えていく上で大切なのは、ユーザー像をより鮮明に特定することで、結果的に多くの人たちに支持されたり、数は少ないけど長く愛されるブランディングにつながっていきます。
取り掛かれるところからスタート
デザイン経営では、3つのフェーズ「企業の人格形成」「企業文化の醸成」「価値の創造」から成りますが、限られられた資源と時間においてゼロから準備するということは大きな負担になり、現実的ではありません。そこでお勧めしているのが、出来るところからとにかく作りながら考えていき、これを3つのフェーズに照らし合わせながら、スパイラル状に前後ぐるぐる回るような進め方です。最初から「何を作ったらいいか」ということから考えてしまってつまずくことがなく、踏み出しやすく効果的に加速していくことが地域の中小企業では有効と感じています。
デザイン経営の成功の鍵
デザイン経営の成功の鍵は、企業の人格形成や企業文化醸成と価値創造の部分をどう一致させるかということになり、これは周囲を巻き込みながら行動変革を起こしていくことが大切です。それによりストーリーが発信され、「企業文化」が形成されてきます。「企業文化」が形成されていくと自ずと何を作るべきか、どういう価値を作っていくかということがより鮮明になってきます。
会社がどこでどの様に生まれ、どのようにして今ここに辿り着き、この先何を目指すのかといった本質を見つめ直すプロセスやプロダクトやサービスを届けたい相手について深く考え、深く知ることなどデザイン経営について取り組んでいることをお伝えしました。
まずは、今ある課題に向き合い、周囲を巻き込みながら挑戦する。目指す未来を共有しながら、試行錯誤を繰り返す。これが、デザイン経営への第一歩だと考えます。
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